若者の間で、フランツ・カフカがジワリと人気なんだとかっていう話を聞いたことがあります。
「えー、そうなの!?」と私はちょっと驚いたのですが、若い人も疲れているということなのでしょうか。
フランツ・カフカは、ユダヤ人の作家で、有名な作品に『変身』というのがあります。
以前に読んだことがありますが、ものすごいへんてこりんな話です。
主人公がある朝目覚めると、突然巨大な虫になっているのです。それなのに、周りのありふれた日常は淡々と営まれていくというような話です。
なんともわけのわからない、絶望的なストーリーです。
今回は、そんなカフカの名言集を紹介したいと思います。
『絶望名人カフカの人生論』編訳:頭木弘樹 飛鳥新社
カフカの言葉は、本当にネガティブなものばかりなのですが、心がつらいときに本当に必要なのはつらい気持ちに寄り添ってくれるような言葉ではないか、と編訳者の頭木さんは言っています。カフカは絶望の名人で、あまりにネガティブすぎてかえって笑えてくるというのです。しかしその絶望の言葉には、不思議な魅力と力があり、読んでいてつられて落ち込むというよりは、かえって力がわいてくるのだそうです。
この本に載っているカフカの名言をいくつか紹介してみます。

なんと、これはカフカが結婚を申し込んでいた女性に向けて書いたラブレターの一節なんだそうです。普通、こんなこと書きませんよね。でも相手の女性は、カフカと婚約をすることになるのだそうです。実際に結婚はしなかったのですが。

これも、同じ女性に向けた手紙の中の一節です。
ベッドの心地よさよりも、落ちる心配のない硬い床のほうがカフカにとっては良いのでしょうか・・・
でも確かに、こうして読んでみると、共感できるような気がしてきます。
同じ頭木さんの編訳でもう一冊、ポジティブなゲーテとネガティブなカフカを対比させている本があります。
『絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ 文豪の名言対決』 草思社文庫
カフカとゲーテ、どちらに共感できるでしょうか?
興味があったら、ぜひ読んでみてください。
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