突然ですが、人の脳には“ミラーニューロン”なるものが存在するそうです。
聞いたことあるでしょうか?
“ミラー”とはもちろん鏡のことですから、そっくり映す機能を持った神経細胞ということになります。
私も難しい生理学のことはよくわかりませんが、例えば、自分が物を掴むという動作をするときに活動する脳の部位は、誰かが同じ動作をするのを観察しているだけでも、同じように活動するのだそうです。
これは、動作だけでなく感情にも当てはまるそうで、例えば映画を見れば、登場人物と同じように悲しんだり喜んだりしていますよね。
こうしたニューロン活動をミラーニューロンシステムというそうです。
“共感ニューロン”なんて呼ばれたりもします。
ミラーニューロンは、はじめはサルの脳で見つかったそうですが、今では人や鳥、ラットなどでも見つかっているそうです。
この機能のお陰で、人はだれかと心を通わせたり、あるいは人の行動を予測したりすることができるのです。
自閉症のミラーニューロン仮説というのがあります。
自閉症スペクトラムの人たちの特徴とされる社会的コミュニケーションやイマジネーションの苦手さは、このミラーニューロンシステムがうまく働かないせいで起こっているのではないか、というのです。
でもここで大事なのは、ミラーニューロンがそもそも存在しないとか、あったとしても全く使いものにならないとかいうことではなく、活性化が弱いということだそうですから、そこを鍛えていけば少しずつは活性化されていくのです。
しかしながら、このミラーニューロンが必要以上に活性化しているみたいな人もいますよね。
簡単にいろんな人の気持ちわかっちゃうのもどうかなあと思います。
誰かと感情共有して、共鳴する感じってとても素敵ですけど、でもだれかの気持ちってその人のもので、ほかの人にはそんなに簡単にわかるものではないですよね。
わからないっていう前提だからこそ、わかろうとするわけで、簡単にわかった気になっちゃいけないと思うんです。
だから、ミラーニューロンは、ゆっくり育てていけばいい。
わからないから、わかろうとできるのです。
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