古代エジプトの神話に、“マアト”という女神がいます。
古代エジプトには神様がいっぱいいるのですが、私はこの女神さまがとても好きです。
“マアト”は場面に応じて「秩序」、「真理」、「正義」などと訳される言葉なんだそうで、古代エジプトの人たちは、そうした概念自体を神様にしたわけなんですね。
例えばナイル川が氾濫を起こすとか、干ばつで作物が育たないとか、そういう悪いことが起こると、マアトに背いた行いをしたからだと考えたわけです。
自分の日常の行動で自然災害が起こるっていうのはちょっと大げさですが、でも私は、人はみんな、マアトのなかに存在してるんじゃないかな、と思っています。
つまり、宇宙の営みの「秩序」の一部として必要だから存在しているんじゃないでしょうか。人ひとりは本当にちっぽけな存在ですが、どんな人もきっと生まれてきたからには、この「秩序」を守るなんらかの役割があるはずなのです。
その役割が何なのか、神様は簡単には教えてくれない。
だから、私たちはそれを探してすったもんだするんじゃないでしょうか。
きっとその役割にうまくはまったなら、生きやすくなるのかもしれないですね。
自分の“マアト”は何だろう。
私もまだすったもんだの最中ですが、それが何だろうと考えると、いろんなことがうまくいかなくても、少しだけ勇気が出るのです。
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