おっさんと銃 ~3章 臨戦編~(ナンバリングはじめました)

戦いはルール無用、勝って手にするものは虚しさだけ・・・

なーんてのはどこ吹く風、楽しいゲームなんだし撃って倒して勝ちたいのでルールは真面目に聞きませう。

シューティングレンジからいそいそと受付前に集合、瞬く間に戦う男達で満たされ・・・せ、センパイセンパイ!武装したモリゾーくんみたいなの混じってるんスけど!

アレはギリースーツっていう草木にカモフラージュする服だから落ち着きなさい恥ずかしい、とのやり取りの中、運営スタッフさんの拡声器からよく通る声が参加者達に静寂をもたらした。

スタッフさん曰く、

  • 土に還るバイオBB弾以外は使わない事
  • 法定からオーバーした弾速(簡単に言えば銃のパワー)の銃は使わない事
  • 近隣の住宅に迷惑はかけない事
  • ゲームのフィールド内では必ずフェイスガードを着用する事
  • ゾンビ行為(撃たれたのにそのまま戦う事)は厳重注意!従わない場合は即出禁!
  • 痛くても泣かない

・・・等々のルールが次々と読み上げられていった。

あらかじめ予習はしておいたものの、5番はちょっと新鮮だった。要するに撃たれた判定は自己申告制、正直者のみが参加の資格を得るのだ。それでもズルする人はいるからスタッフも監視してるけどね。

その後、赤腕章と黄色腕章でチーム分けがされ、自分は黄色腕章と共に初心者印の白テープも腕に巻かれた。この印は1ゲームにつき1回復活が認められるとのこと。ラッキー!

初心者さんはこちらに集まってくださーいとの声があり、初心者講習が始まった。銃のマガジン(弾倉)の付け方、フルオート(連射)とセミオート(単発)とセーフティ(安全装置)の切り替え方、どこ撃たれても1発アウトで、撃たれたら「ヒット!」と自己申告して退場する等々・・・

ちなみに倒したり勝ったりのコツ等は教えてもらえませんでした。チクショウ!

初心者講習から席に戻ると、上司と相方さんが銃の手入れと銃トークに華を咲かせていた。うーんどの銃もデカくてゴツくてカッコいいな・・・!と目を輝かせてると、上司の相方さんが何か興味ある銃とかあるの?と声を掛けてくれた。

すいません正直詳しくなくて・・・AKってのが有名って聞いて触ってみたいなってくらいですー、と正直に答えると、ああ持ってきてるよちょっと待ってて、とすぐ近くに止めてた車のバックドアを開けた・・・うわ武器庫みたいになってる!?

はいコレAK47ね、と手渡された銃は想像以上の大きさと重さ、そして迫力を伴っていた。整備しやすい、悪環境に強い銃と聞いており、写真で見てシンプルな銃だなーと思っていたが、実物は効率と性能をありったけ詰め込んだかの様な凄みを放っていた。(エアガンだけど)

使ってみる?貸すよ?と気軽に言ってはくれたものの、レンタルガンに比べると妖刀の様な存在感を放つその銃に尻込みしてしまい、ちなみにコレおいくらですか・・・?とおそるおそる聞いたところ、次世代だから5万円かな?との事。恐れ多いんで無理っスー!!と丁重にお断りしておいた。

ちなみに次世代ってのは次世代電動ガンという、高性能&撃つと反動があってド迫力という高級品だ。ドケチの自分にゃ恐らく一生縁がないものである。

ちなみに上司はMP5という、これまた次世代電動ガンを使うらしい。うーん5万円とかホイホイ使っちゃう業界なのか・・・?恐るべしサバゲー愛。

いいんだ俺には自分の銃(レンタル)があるから・・・!チーム分けの時に聞いたけど今回は大体25vs25くらいの試合らしいし、この300発撃てる銃さえあれば平気っスよ!

との強がりに、さっきのAK47って600発入るし予備マガジンもあるよとの返答。め、めげないぞ俺。

経験者のお二人は悠々と支度を整えて、自分もいそいそと弾込めをしていると、そろそろ始めまーす!参加者はフィールドインお願いしまーす!とのスタッフさんの声。

あわわ急がなきゃ!あわわフェイスガード忘れてる!と見事にアタフタしながらネットで隔たれた戦場へ入った・・・そう、何も考えず入ってしまったのだ。

戦場は開戦を前に静けさを放っていた。一見すると木板の壁や粗末な小屋、廃車等が乱雑に並ぶ森の一角という、特筆すべき事もない風景だったが、各障害物の陰から銃口が狙ってくる・・・?と考えると、途端に突き刺すような殺気が感じられた。そう、私はビビりだ。

広大な(と感じた)フィールドの中を、同じ色の腕章の方々の後に続いて歩く。上司にどこを目指してるのか問うと、Fフラッグだよとの事。え、えふふらっぐ?

なんでもフィールドは奥行き200m、幅120mくらいで、フラッグ?とやらの地点がAからFに割り当てられており、こちらはFフラッグからスタート、相手方はAフラッグからスタートとの事。

200m×120m・・・?と、数字で聞くとそれほど大きくない様に聞こえるけど、どこから狙われるか分からない障害物だらけの空間は数字以上に広大に感じた。

都会では味わえない柔らかい土を踏みしめ、武装した男達の一部になって進む。・・・あ、あっちは女性のグループだ。あ、あの人迷彩服じゃなくて軍服とピストルだカッコいい!

キョロキョロしたら恥ずかしいでしょーと上司にたしなめられつつ、Fフラッグに戦士達が集う。相手方のAフラッグは120mほど離れているだけのはずだが、障害物と草木に阻まれて影すら見えない。

学生時代に初めて空手の試合に参加した時のような、全方位から空気が肌に刺さる感覚。

よし・・・覚悟は決まった。

こ っ そ り 行 く ぞ !

次回!

おっさんと銃 ~4章 初陣編~

サバゲー、それはスポーツであり、遊びであり、闘争でもある。

続く。

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